工事チェック

 第三者による工事チェック

工事中に設計図書と施工状況を照合し、設計内容や仕様と異なる施工がなされている場合には、その旨を建築主に報告するのが監理者の仕事です。これが欠陥工事を防ぐ上で最も大切な業務です。
建築基準法では、建築主が工事監理者を選定して施工時の監理を行うことになっていますが、現実には施工会社側が決めて(自社・外部委託)いるため、監理者に会った事もない建築主が大多数ではないかと思います。本来、建築主が第三者を選定して不利益を被らないようにするための制度ですが、施工者側の差配では内部で利益相反が生じる場合、実効的な監理は行われにくいというのが現実です。実際、当機構に寄せられる施工上の欠陥や仕様に関わるトラブル事例の多くが、監理が機能していれば未然に防げたものと考えられます。

このような状況は住宅供給側の組織構成に関わるため、体制に不備があったとしてもなかなか改善されるものではありません。しかしそれを待つ時間はありませんので当機構では第三者の立場での工事チェック業務*も行っております。ハウスメーカーや工務店による注文住宅、建売住宅などで実績を重ねております。
※現場に立ち入りますので施工会社の承諾や施工の前提となる設計図書が必要です。ご依頼いただく際は事前に先方とのご調整を要します。

■工事チェックの費用について

施工後に見えなくなってしまう部分のチェックが特に重要です。具体的には、

・基礎配筋施工状況
・構造金物施工状況
・防水、止水措置施工状況
・設備配管施工状況
・断熱施工状況

などを重点にチェックすることをお勧めいたします
各チェック事に45,000円/回です。(現地1~2時間の作業と報告書提出まで。消費税別)

※このフォームによってご依頼が成立するものではありません。当機構窓口が問い合わせフォーム受理後に費用・日程その他確認事項についてご連絡を差し上げます。その後、ご依頼者と当機構の合意をもってご依頼成立となりますのでご安心ください。

コラム~工事チェックではこんな事が!

第三者工事チェックによる不具合の発見事例を紹介します。

・木造の耐力壁施工チェック時に構造パネルの釘ピッチが既定の半分程度でした。
→ 建物全体の耐力も半分程度に低下します。長期優良住宅として耐震等級2の設計であるにも関わらず、実際の強度は建築基準法以下でした。
大変危険な状態であったため、施工者にはその場で全パネルの釘の増し打ちを行っていただきました。

・木造住宅の基礎配筋チェック時に、交差部の補強鉄筋が入っていませんでした。
→ 建物に地震などの外力が加わると交差部には大きな力がかかります。上部の木造部がいくら頑丈であっても基礎が破壊すれば建物として崩壊しやすくなってしまいます。施工者にはその場で補強鉄筋を入れていただきました。

上記事例のように、建築の施工現場では専門的知識を持った技術者でなければ不具合を発見するのが難しいです。耐力壁は内外仕上げで隠れてしまいますし、基礎鉄筋はコンクリートで隠れてしまいますから、後で発見するのはほぼ不可能と言って良いでしょう。
後で隠れる部分を重点的にチェックする、という意義がお分かりいただけるのではないかと思います。